東南アジア現地で働く上での失敗

私は日本の上場IT企業で営業・企画を経験した後に、東南アジアの現地採用として転職し、転職先が東南アジア各国に支社があったこともあり、その後6年間で各国の現地スタッフと一緒に仕事をしてきました。

業務内容は主にWeb/モバイルの開発・コンテンツ制作がメインですが、会社マネジメント周りの仕事もしていたため、一緒に働いてきた現地スタッフはプログラマー・デザイナー・プランナー・人事・経理など多岐に渡ります。

文化や考え方、働き方、性格など日本人とは異なる海外の人達と一緒に働くということは、非常に刺激的で、自分の人生観や仕事観を大きく広げてくれるとても貴重な体験でした。

そしてそれが故に、日本で働くよりも難易度が高いことが多いのも事実です。

私自身も沢山失敗しました。同僚の日本人達がしてしまった失敗も多く見てきました。

そしてシンガポールやマレーシアなど他の東南アジアで働く方たちの話も聞いてみると、国ごとにある程度の違いはあれど、いくつかの失敗の共通点があることがわかりました。

そんな、海外・東南アジアで現地の人達と一緒に働く上で、やってはいけない事5つを紹介したいと思います。

相手を見下して馬鹿にする

相手を見下す

相手を見下すっていうと「私はそんなことする人間じゃないよ!」って感じると思いますが、案外無意識にこれをやってしまう日本人はとても多いです。

現地採用であれ駐在員であれ、「日本のクオリティの仕事を現地で実現する」というのが、東南アジアで働く日本人の多くの場合でのミッションとなります。
そこには「東南アジアの現地の人達がする仕事のクオリティは日本平均よりも低い」というのがある程度前提となっています。

そして実際のところ、現地の方たちの仕事を見ていると、「締め切りを守れない」「アウトプットが手抜きレベルの品質」というケースは多いです。

また日本では平社員だった人が、現地ではいきなりマネージャーレベルになるケースも多いです。
まだ若いのにいきなり人の上に経つと、実際には実力が伴っていなくても偉くなった気がしてしまうものです。

こういった事が重なって、どうしても無意識のうちに現地スタッフを見下してしまいがちなんです。

相手を見下していると、仕事の指示や普段の会議など日常の会話の端々で、その気持ちが伝わってしまうものです。
自分のことを見下している人の指示をまともに受けて頑張ろうって思える人なんて普通いませんよね。

さらにそれであなたの英語力が低かったりしたらもう最悪です。

自分のことを見下しているいけ好かない、しかも指示も言っている内容も不明確で良くわからない、そんな人と一緒に仕事していたらストレスが溜まって辞めてしまうか、その人のさらに上司に苦情を言うかです。

現地採用であなたが現地スタッフをマネージメントする機会も多いですが、時折自分の気持を客観視して、相手のことを見下したりしないように心がけることが大事です。

沈黙は金なりを実践してしまう

海外では沈黙は金なりは通用しません
「沈黙は金なり」は海外では通用しません。

日本人は、現地の人達からよく「何を考えているのか分からない」「指示が明確じゃない」「適切なフィードバックが無くて、次にどうしていいかわからない」と思われてしまうことが多いようです。

何を考えているか腹の底が見えない人を、心から信頼していくことは難しいですよね。

「沈黙は金なり」「阿吽の呼吸」というのは日本の古くからの美意識です。
日本は世界においても非常にハイコンテクストの文化と言われています。
言葉にしなくてもその場の空気を理解して行動をすることが求められる文化ということですね。

「わざわざ言葉にして褒めてやらなくても、俺の気持ちを組んでついてきてくれるだろう。」

世界・東南アジアでは、こういう日本人ぽい男らしさは基本的には通用しません。
日本人の感覚からすると少し頻繁すぎるくらいに「自分の気持ちを言葉にして伝える」ことを心がけたほうがいいです。

感覚に頼りすぎる

感覚的で曖昧な指示

「○○みたいな感じで作ってください」
「私がこないだやったような感じでお願いします。」
のように、「みたいな」「感じで」が多い人は要注意です。

例えば、「落ち着いたビジネスっぽい色合いで、、」といった指示で、日本人のあなたは、青系やグレー系の色を連想していたとしても、東南アジアは、町並みや看板などを見ても分かりますが、原色系ハデな色を好みますので、カラフルなアウトプットが上がってくるかもしれません。
彼らにとっては、それでも「落ち着いた色」という判断なのです。

育った環境や文化が違っていて、前提となる判断基準が日本人とは異なるということを念頭において、1つ1つの手順・工程において誤解の余地がないくらいに、しつこい程の細かい明確な指示が必要だと考えておきましょう。
(こうすると、あなたが明確に理解していないと指示が出せないため、あなたのスキルアップにも繋がります。)

自分にも他人にも厳しくしてしまう

自分にも他人にも厳しすぎる

日本は謙虚さが美徳とされており、時には自分にも他人にも必要以上に過小評価をしがちです。

一方、東南アジアをはじめ、世界では基本的に褒めて伸ばしていく教育が一般的です。
ですので、東南アジアの現地社員は、学校の通信簿の時代から甘い採点を付けられることに慣れています。

これを理解せずに、「あなたの実力ならもっとできるはず」と言いながら辛めの評価などをしてしまうと、現地社員は頑張っている自分のことを低く評価されたと感じて、プライドを傷つけられ、モチベーションを失ってしまいます。

「厳しいのは期待の裏返し」というのはなかなか通じません。
叱責したいことがあるのならば、必ずその前に何か褒めることをしてから、ついでに「ここが出来ればもっと良い」という感じで上手くモチベーションを管理してあげましょう。

声を荒げる・人前で怒る

声を荒げる

東南アジアの現地社員は、人に怒られることに慣れていません。街中で子育てを見ていてもわかります。
子供を叱っている親がすごく少ないんです。
大きな声を出して強い口調になったり、人前で叱責することは絶対に避けましょう。

これは日本でも社員のやる気を削ぐので、詳しく説明するまでもないですよね。
日本人なら耐え忍ぶ人も多いですが、海外では、すぐにモチベーションを無くしてしまいます。

 

どうでしょうか。
こうやって見てみると、実は日本でも世界でも、人心掌握・他人と円滑に働く方法の基本というのはあまり変わらないのかもしれません。

ただ日本では、同じ民族であり、我慢強く和を尊ぶ意識が強いために、これらの失敗をしていても、大きな問題に繋がらないために実は見過ごされがちなだけなのかもしれません。

海外での仕事のコミュニケーションは、日本以上にあなたの人間力の向上が必要とされるのです。
文化や前提知識を越えて、円滑に海外で働けるようになることは、今後のあなたのキャリアにとって強い武器となるはずです。