ジャカルタショッピングモール

今回は、インドネシアのパタム市で、精密機器製造販売の起業で生産管理業務として働いた経験を持つ30代男性への体験談インタビューを紹介します。

インドネシアで駐在員として働くことになった経緯について

2008年2月から2014年7月までのおおよそ6年5ヶ月インドネシアに赴任しておりました。

当時インドネシアの工場は私が現在でも勤務している会社のメイン工場でした。私の会社には海外の生産拠点としてインドネシア、ベトナム、中国に工場が有り、いずれの工場も会社にとってはとても大事な生産の拠点でした。

しかし、2007年頃からインドネシア工場の生産が未達成を繰り返してしまう様になり、メイン工場としての大きな役割である生産、売上、収益、顧客納期対応の全ての面で未達成を繰り返し起こしてしまう様になってしまいました。

この大きな役目は私の会社では生産管理系の業務として取り扱われている事から、私がインドネシアに赴任する事になりました。元来中国工場の生産管理のサポートに従事しておりましたので、海外工場への赴任には抵抗感はありませんでしたので、ほぼ即決で決まりました。

 

私が現在の会社に入社したのは、33年前になります。当時高校卒業と同時に入社させて頂きました。

会社を選んだ一番の理由は、自宅から近いと言う理由と、元々物づくりが好きでしたので、製造会社への就職が希望であった為です。しかし入社後の私の配属は意に反して生産管理系の業務へ配属されてしまいました。

入社当時は海外で仕事をする等考えた事は全くありませんでしたが、中国の工場の生産管理サポートを任される様になってからは、海外での仕事に興味を持ち始めました。

インドネシアと仕事での関わり合いができたきっかけは、当時の私の先輩がインドネシア工場の生産管理サポートを行っておりましたが、定年退職が迫ってきた事もあり、私にバトンタッチをされた形で関わりを持つようになって行きました。

ほぼそれと時を同じくしてインドネシア工場の生産が未達成を繰り返す様になってしまい、最終的にはインドネシア工場に生産管理担当者を派遣する事が決まってしまい、私が赴任する事になりました。

インドネシア・パタム市での仕事内容

インドネシアに赴任してからの給与(年収)ですが、日本の会社から出向と言う形になった事も有り、給料は日本円で50万円程になりました。

従来の日本でもらっていた給料のおおよそ1.5倍程です。この給料には勿論日本で生活する家族の分と、私がインドネシアで生活する分を合わせた物です。現地インドネシアでの具体的な仕事内容ですが、生産管理担当として赴任しましたので、工場の日々の生産状況管理、売上管理、収益管理、在庫管理、顧客納期管理、現地人スタッフの勤怠管理と多岐に渡りました。

海外の工場では1人で何役もの仕事をこなさなければならない事を痛切に感じました。現地で大変だった事は、現地人スタッフとのコミュニケーションです。言葉の問題は勿論ですが、日本的な生産管理の考え方を現地人スタッフに浸透させるのには、大変手間と時間が掛かりました。

又、文化の違いも大きくインドネシアはイスラム教徒が国民の9割にものぼる国です。イスラム教とはどの様な物であるのかの知識が無かった事が現地人スタッフとのコミュニケーションの妨げになった事は言うまでも有りません。

楽しかった事は、とにかくインドネシア人はとても明るい民族で、その明るさに何度も私の折れそうな心が救われた事です。仕事の面では今一つの所が目に付きますが、一歩会社を離れプライベートで彼らと出掛けたりする時には、彼らの明るさと、面倒見の良さにとても感心する物があり、休日にはよく現地人の仲間達と出掛けておりました。

 

インドネシアで働くのに必要な英語力について

私がインドネシア赴任が決まった当時の英語力は、とても低くTOEICは300点台でした。自身が勤めている会社からの赴任でしたので、業務優先で語学力は全く問われませんでした。2014年に帰国後は他の業務に就いている為、海外工場との接触が無くなり英語も使う機会が有りません。

最近の英語力は調べてはおりませんが、若干日常会話ができる程度です。但し、一般的にインドネシアで仕事を探す場合には英語力は求められます。TOEICで言えば最低でも600点は必要です。

是非英語は勉強をしておくべきです。インドネシアでの就職活動で良い点は、英語力以外にインドネシア語力が求められる企業が多くあります。求人欄には英語は日常会話程度、インドネシア語が出来る方を求める等の記載が目に付きます。インドネシア語が日常会話レベルで出来ると、職探しに有利に働く事が考えられます。実際にインドネシアで仕事をしてみて私の英語力の無さは痛感させられました。

工場内はインドネシア語が飛び交っておりますが、現地人スタッフとのやり取りは勿論、業務上外部のサプライヤーとの打合せ、海外からのお客様の監査対応等は基本的に全て英語で行います。赴任当時英語力がほぼ無かった私ですが、1日1文字を目標に勉強しておりました。

又、英語が出来ないのでせめてインドネシア語を覚えてやろうと意気込み、工場内の日本人では一番インドネシア語を使える人になれたと自負しております。

インドネシアでの生活について

インドネシアで生活していたのはパタム市内のホテルでした。これは会社側が用意してくれた物です。ホテルですので食事や洗濯掃除は全てホテル側がやってくれましたので不自由はありませんでした。

ホテルの1ヵ月の宿泊代はおおよそ10万円と結構料金の高い所でした。ただ、インドネシアで就職する場合には一般的には会社に近い場所にあるアパート等になると思います。家賃は日本円でおおよそ5万円から8万円位で借りる事が出来ます。

食事はホテルのレストランでも利用できますが、お薦めなのは街中等にある屋台です。値段も1食300円から500円位でビールも飲め、お腹一杯になります。最初の内は衛生面などで気にはなりますがその内に慣れてきますし、とてもおいしいです。

収入的には日本の会社からの出向であった為、現地での生活はとても楽で貯金がどんどん貯まりました。

しかしインドネシアで就職する場合の給料は日本円で20万円から30万円程になりますので、日本にご家族がいらっしゃる場合には日本へのお金の仕送りも考えると、余り楽な生活は出来ないのかとも思います。

 

インドネシアで働くのに必要なのは大らかで寛容な気持ち

日本とインドネシアでは経済の発展状況が異なる事は皆さんご存知であると思います。従ってインドネシアに行かれた方は、日本人である事を彼らに自慢する様な態度を決して取ってはいけません。インドネシアの人達と同じ目線で仕事をする事がとても大切です。

彼らもその事を大変良く理解しており、上から目線の日本人に対しての接し方は明らかに打ち解ける事のない接し方をしてきます。インドネシアの人と働く事は苦しみも多いです。彼らの国の考え方の中に、「どうってことないさ」や「神様云々」と言う物が有ります。

日本人は些細な事でも気になり色々な指示を出しますが、彼らの中にはそんな些細な事は余り大きな意味を持たない様です。仕事の中ではその事が後に大きな誤解を生んだりもします。とにかくイライラさせてくれる彼らですが、彼らの明るさに接するたびに私の方も些細な事を気にしなくなっておりました。

現在日本に帰国後おおよそ3年になりますが、インドネシアでの貴重な経験が今の業務に役立てられているとは考えておりません。但し、人とのつながりを大切にする考えは根ずいており、部下への接し方や、仕事の教え方等を思い起こしながら後輩の育成を進めて行ければ良いと考えております。