香港で働く女性 S・Mさん(39歳女性の体験談)

香港で10年働いた後に日本で転職して感じた海外就職のメリット

私は大学時代に中国語に興味を持ち、中国に1年間留学をしてある程度の中国語が読み書き・話せるようになりました。その留学経験と中国語の強みを活かして、新卒で香港に海外就職をして10年間働き、2010年に家族の理由などもあり日本に帰国して日本で働き始めました。

日本で5年、香港で10年働いてみた経験から思うことは、当たり前のことかもしれませんが、どちらの国にも良いところ悪いところがあるということです。

そして良いところというものも、見方を変えれば悪くなるし、悪いところも別の言い方をすれば良いところになりうるという、何事も表裏一体ということを実感するようになりました。

 

「働く」ということは日本にしろ香港にしろ、大変なことには変わりありません。海外就職するなら香港がおすすめ、というほど香港で働くのがラクというわけではありませんが、東南アジアのほかの国に比べると、同じ漢字圏だったり食文化も似ていたりするので、働きやすいとは個人的には感じました。日系企業も多いですので日本人の求人も見つけやすかったです。

海外就職をしたいと考える人の中には、日本の職場環境がいやだという人がいるかと思います。

日本の独特の文化で、会社に尽くさなければならない、上司に誘われたら飲みに行かなくてはいけない、周りに合わせることが大事、などということが苦になって、自由な海外で働いてみたいと思うかもしれません。

確かに香港で働いていた時にはそういった日本的なストレスを感じることはほぼ皆無でしたので、日本のそういった窮屈な面がいやな人は、一度海外の求人を探してみる価値はあると思います。

海外就職で学んだ香港人と日本人の働き方の違い

香港人が考える「仕事」とは、会社のためではなく、まず自分のため

和を尊ぶ日本と比べ、香港ではまず個人が優先されます。会社のために自分を犠牲にして働く日本のような価値観はなく、働くのはあくまでも自分のためです、

自分が食べるためです。ちなみに広東語で仕事をすることを俗語で「お金を探す」と言います。香港人にとって仕事をするのはお金のためです。なので、非常に割り切った仕事の仕方をします。これだけやったのだからこれだけもらう、という姿勢がはっきりしています。サービス残業は基本的にやりません。

残業が自分にプラスになる、と思うときのみやります。

 

香港人は「自分の仕事」というものにこだわります。

求人のときに求められた仕事、契約以外にない仕事については基本やりません。日本の「総合職」のような、なんでも全部やってくださいという雇用契約は海外では基本ありません。

日本なら同じ職場内でお互いの仕事を手伝いますが、香港人は自分の仕事が終わったらさっさと帰ります。

最初は冷たいなと思いましたが、例えば「本当に仕事の遅い人がいて、自分の仕事は終わっているのに、でも残っている人がいるから帰りづらい」とか「上司より先に帰るのが気まずい」というような無駄な時間がなくなるので慣れると非常にラクです。

 

香港人は時間にルーズ

平気で遅刻してくるし、上司もあまりそれをとがめません。

かといって仕事もルーズかというとそうではなく、仕事はきっちりやります。そういうやり方に慣れてくると、日本のように一分一秒にこだわることが、本当に意味があるのかと思うときがあります。

しかし、今までの日本人たちがきっちりと時間を守って仕事をしてきてくれたおかげで、「日本人はとても勤勉だ」という評価が海外で確立されているのも事実ではるので、時間に厳しいということが良いのか悪いのかというと、一概には言えないということも、香港で働いてみてわかったことのひとつです。

日本人のあいまいな受け答えは通用しない

仕事を進めていくときに、日本人は言葉をあいまいにすることが多いですね。例えば「この納期でできますか?」と聞かれても、できる、できない、と答えるのではなく、「できるだけご希望に沿うようにやってみますが、、、難しいかもしれません」と言葉を濁します。

香港ではこれは通じません。

できるかできないか、はっきりしてくれと言われます。これは香港だけではなく他の外国でも当たり前のことで、日本語のこういうあいまいさは不評です。私もてきぱきと仕事を進める香港で働いていて、こういう日本人のやり方がきらいになったのですが、でもそれが逆に日本のやり方の良いところでもあり、最初にできないと断ってしまうのではなく、お互いにできるかなぁ、できるかも、やってみてくださいよ、じゃ、やってみましょうか、などと話しているうちに最終的にはできる方向に持って行くので、無駄な時間に思えても結局は無駄ではないのだなぁと思うようになりました。

日本と香港、両方で働いてみて初めて、両方の良いところ悪いところが見えてきます。

海外で働く経験をして最も良かったこと

私が海外で働くことで最も良かったなと思えるのは、外から「日本人の仕事」を見ることが出来るようになった点です。内に篭っているだけでは自分自身が客観視出来ない、海外に出て海外で働いてみて初めて分かる「日本の仕事」の良いところ・悪いところ。

20代30代の若いうちに海外就職を経験して、そういったことを学べるのは非常に価値あることだと思います。

会社に身を捧げるという日本人の仕事観

S・Mさんは香港で10年間働いていたということで、中国語もペラペラだそうです。
香港は中国本土での海外就職と異なり、ビジネス公用語がほぼ英語なので中国語がそこまで出来なくても英語があれば就職ができるそうです。(中国本土での海外就職は中国語がかなり重要)

S・Mさんは香港企業で働いていた経験と日本で働いている経験を対比して、「会社のために自分を犠牲にして働くような価値観は香港には無い」とおっしゃっています。

最近では、企業もこういった仕事観はある程度隠さないと若い人の採用が出来ないので、少しずつ無くなってきているような気もするんですが、私はまだまだ日本人の根本の仕事観には染み付いていると思っています。

私は現在30代中盤で20代の時は、いわゆるITベンチャー企業にいました。平均年令が29歳とかの若い会社です。

そういう若い会社でさえ、「定時に帰るような人は努力していない」「週末に2日間も休むなんておかしい」といったような、いわゆる自分を犠牲にして会社の成長に貢献するのが当たり前のような価値観は染み付いていました。

会社経営する立場なら、そういった仕事観を持っている人を採用できれば楽ですし、そういった人を要職につけていけば、会社がその雰囲気になっていって社員全員が会社に尽くしてくれますからね。

私は仕事を頑張って成果を出すことに喜びは感じますが、自己犠牲をしてまで会社に貢献する空気感が嫌だったので、日本脱出を決意しました。

面白いのは、日系企業の海外支社では、要職が日本人が多いにも関わらず、この価値観がほとんど無くなっていることです。
同じようにこういう価値観が嫌いな人達が、現地採用としてどんどん海外に出ていっているから会社内の価値観も変わってきているのかもしれませんね。

もし海外で働くことに興味がありましたら、

下記の記事で海外就職の具体的な進め方を説明していますのでご参考ください。

⇒失敗しない!海外就活の効率的な進め方

⇒新卒から高年収まで!海外就職を検討なら登録した方がいい転職エージェント比較