本サイトへのよくある質問の1つに、「英語がほとんど出来ないけど海外就職が出来るのか?」というものがあります。
私自身も6年前に海外就職のために求人情報を見ている時はほとんど英語が出来なかったので、同じような疑問を思いました。
結論から言うと、
- 海外就職に必要な英語力は国による
- 海外就職に必要な英語力は職種による
です。
海外就職に必要な英語力は国による
アメリカ・カナダ・オーストラリア・シンガポールなど英語ネイティブの国で海外就職するなら高い英語力が必要です。
一方で、英語が第二外国語である国では、高い英語力はあまり求められず、採用時点では日常会話レベルあればOKなことが多いです。
特にシンガポールを除く東南アジアの国々は、一緒に働く現地スタッフもそんなに英語が堪能ではありませんので、求められる英語力も高くないことが多いです。
私が今まで出会った東南アジアで働く日本人は50%くらいが日常会話レベル(TOEIC500~600)で仕事をしています。
国ごとの求められる英語力は以下の様な目安です。
海外就職先の国 | 求められる英語力 |
アメリカ | 高いビジネス英語力が必要 |
カナダ | 高いビジネス英語力が必要 IELTS5.0以上 |
オーストラリア | 高いビジネス英語力が必要 IELTS5.0以上 |
シンガポール | 高いビジネス英語力が必要 |
香港 | 高いビジネス英語力が必要 |
マレーシア | ビジネス英語力が必要(TOEIC700以上目安) |
フィリピン | 日常会話レベル〜ビジネス英語レベル |
タイ | 日常会話レベル |
インドネシア | 日常会話レベル |
ベトナム | 日常会話レベル |
ちなみに日常会話レベルは、大学受験の単語集1冊、文法書1冊を終えてオンライン英会話を1~2ヶ月程度やれば十分到達出来ます。
海外就職に必要な英語力は職種による
上記は国ごとの海外就職に必要な英語力ですが、あくまでも一般的な傾向で、職種によっても求められる英語力が左右されます。
まず本社がが英語ネイティブの国にある外資系企業は、高いビジネス英語力が必要となります。上司やレポートライン、同僚などが高い英語力を持っているので当然ですね。
一方で、日系企業の海外支社の場合は、英語がさほど得意でない日本人が働いていることも多いので、さほど高くない英語力で面接が通ります。また英語力が必要ないように社内に通訳を雇っている日系企業も最近増えているそうです。
職種としては、外資系企業を顧客にする営業職、外国人の接客をするホテル業、通訳・翻訳などはビジネス英語以上が必要となります。
語学力・英語力不問の海外求人が多い職種は?
日系レストランの料理人・寿司職人
日本食レストランは世界中で人気で急増しており、日本の料理人や寿司職人が引っ張りだこです。店舗マネージャーが日本人であることも多く、またキッチンではそこまで複雑な会話が必要ないため、英語力不問の場合が多いです。
日本人向け保育園・幼稚園
世界中の主要都市いたるところに日本人は住んでいて、駐在員の子供は日本人学校・日本人向け保育園・幼稚園に通わせることが多いです。(日本に帰国した後にも周りと教育レベルが同じになるため)
日本人向け学校や幼稚園・保育園では英語力が不問の求人が多いです。
ITエンジニア
プログラマー職は、世界共通のプログラミング言語を使って仕事をしていますので、英語もプログラマーが頻繁に使う単語(delegateやmethod、import等々)の意味や用法を理解していれば、エンジニア同士では大体意思疎通が出来てしまいます。UI関連の話題になった時に関しては、少し単語を多めに勉強する必要がありますが、紙にペンで図を書けば大体通じます。
日系企業を顧客にする営業職
営業先の担当者が日本人なので英語が必要ないことが多いです。
ただし、営業チームを率いていくマネージャー候補として期待されている求人もあるので、そういう場合は入社後にしっかり英語を勉強していく必要があります。
英語力はプラスアルファになるが職歴の方が重視される
逆に英語が得意な人にとっての海外就職ですが、もちろん同じようなスキルを持つ2人がいた時に採用されるのは英語力が高い時ですのでプラスアルファにはなります。
ただ前述のように、求人ごとに設定されている最低英語力レベルをクリアしていれば、あとは英語力の差が採用合否を左右することはあまりなく、あくまでも職歴や熱意のほうが重視されます。
日系企業の現地採用者に求められているのは「日本品質の仕事を現地スタッフと達成すること」ですので、コミュニケーション能力、職歴の専門性と知識などが総合して判断されます。